『感動を合わせる』
これは舞台制作や、会社を維持していく中で重要な要素であると私は確信を持っています。
どのような事をすれば、部下や後輩と『共感を合わせる』事が可能になるか?
方法は簡単です。
『相手や自分と今まで観て、感動してきた作品(映画・書籍・漫画・等)を共有する事』です。
ですが、各、年齢毎に、今までの人生で触れてきた作品の数や質が違います。
実は2000年代を超えて、この「感動共有ポイント」が細分化されました。
この事が、今の日本の「チームプレイ」において、状況を難しくしています。
例えば、今の10代や20代の人に「北の国から」の名シーンをどんなに力説しても、届きません。
やはり、あの作品は、あのバブルと共に変化していった日本の時代的背景も大きいからです。
(必ず届く、普遍的な名シーンはあります。
私は、今の中・高校生と演技のレッスンを始める時に、だいたい、「最近感動した作品は?ジャンルはなんでもいいよ。」と生徒達に聞くのですが、「ラブライブのアニメで泣きました」と答える女子中学生がいたりして、
『今度・・・観てみるね・・・。』と言っておきながら、やはりかなり、気合を入れないとしっかり「ラブライブ」を視聴・分析する気にはなれません。
ですから、それはまた、相手も然りでして、
どんなに私が「○○○○って作品を見るべきだよ」と言っても、多分彼女達は見ることはなく。
今までは大抵、通用した「ワンピースのあの場面のようにね」とか「ナルトでいうと・・・。」とか「クレヨンしんちゃんの映画的に言えば・・・。」といった事も現在の子供達には、ほとんど、適用せず、
「こちらが合わせるべきか、別のアプローチをするべきか?」
とその都度、集まったメンバーやチームで色々「感動の共有ポイント」を模索します。
まぁ、別に感動じゃなくてもいいんです。
最初は「面白い」と思っている事でも良いのですが、
これもまた、「○○という芸人さんが面白い」と言われても、
「夢で逢えたら」「ひょうきん族」「ドリフ」「元気が出るテレビ」
を食い入るように見ていた世代からすると、残念ながら全くピンとこない。
こういった事も世代間のギャップと言えるのでしょう。
こうなってくると、リーダーであったり、演出家は様々な世代に合わせて「流行」を追わければならなくなる必要もあったりもします。
若しくは、どこかのタイミングで、本当に間違いのない「普遍的な作品を彼らと一緒に鑑賞する時間」を必要もあったりするわけです。
まぁ、その場合耐えれるものは、本物の、ブロードウェイのミュージカルや歌舞伎だったりするわけですね。当然、名作の映画でも構いません。
ですから、質の高い良い映画に出会えた場合、「役者の卵や部下」に自分のポケットマネーで観に行ってもらうという事も有効だったりします。
「感動を合わせる」事によって、自分達の抱えているプロジェクトの水準が上がり、目標設定が年齢が関係なく高くなります。
そのような「研修」も集団創作の場では、必要という事になります。
是非、芸術鑑賞など、「研修」の一部として、ご一考なさってください。
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