舞台DMLCに向けて

今回の創作している「舞台DMLC」の事を様々、思いつく限り書いていきたいと思います。


今まで、私は20年以上この演劇という業界で活動しているのですが、たいてい「創作活動中」はブログも発言も止まってしまいます。

なんとなく、身を隠すといいますか・・・。 籠るといいますか・・・。

まぁ、空手家で言えば、「山籠もり」期間ですかね。外界との係りを極力避けるのです。

勿論、人によりますが、私はその傾向が強いかと思います。


何故、そうなってしまうかといいますと、

「自分が言いたい事は、全部完成した舞台上に存在する。」

って思っている節がありまして、

なので、

「創作途中に発言するなんてカッコ悪い」とか、

なんか、「作品で判断しろ! 言い訳は言わない」

みたいな風潮が今だ私には残っているわけです。


実際、今、10月12日でして、本番まで、まだまだたくさん時間があるわけですが

当然の事ながら、既にキャスティングや、演出プランや台本を毎日、考えておりまして、

こういった「私の頭の中」は、誰にもわかるものではないから、

他人からすると、「まだ、何もしていないんじゃないか?」とか

「何も考えていないんじゃないか」とかそういった事を思われてしまう場合もあります。


本当にそんな事ないんですけどね・・・。でもまぁ、「人の頭の中は覗けない」は一つの真理なのです。


そして、演劇っていうのは実際「本番」が全てですから、それまでのモノつくりの過程とかって、お客様には全然関係がない。

ですが、普段から、もの凄い数のアイデアやプランを作家や演出は考えているんです。本当に・・・。


「全ての人が、誰もが『面白い』と思える作品を作ろう」


当然の事ながら、常に全ての創作者は、そこに向けて日々、色々考えてます。


でも、「全ての人」が面白いって思えるものは何?ってところをふと冷静に考えてみると、常に不安と葛藤との戦いになるわけで。


本当はとても良いアイデアなのに、漠然と不安になって、結局、本番ではやらなかったり。実はそういった事もあったりします。


基本的に、作家、演出家は、そういった事との格闘の日々です。


さて、では、お芝居の稽古は何で始まるか?というと、「台本」ができた段階から始まります。


まぁ、役者は別にいいんです。実は、台本があろうとなかろうと・・・。極端に言えば・・・。役者としての本番に向けた稽古はできるのです。

ですが、台本が無いと、誰が困るって、照明とか音響とか装置さんです。


「台本」がないと何もできないんですよね。だから、所謂、照明・音響・装置のスタッフさんは「台本」がなければ何も動けません。


ですから、そういったスタッフさんは先ずはなんでもいいから「台本」の一行でも書いているかどうかを求めます。


「ちょっとまってよ。まだ時間あるじゃない。本番まであと数か月あるよ。もっと直前までアイデアを温めたいんだ。」って思っても、

スタッフさんにとっては、台本は「設計図」なので、それがないと、一つも創造もできないわけです。


アイデアっていうのは、演劇の世界では、「口で言う」だけでは成り立ちません。形や、文字にしなければ、第三者には伝わらない為です。

つまり、演劇において、形にするっていうのは、「紙の上に文字を書く」という事なんです。


ですので、「作家が何かを書かない」と始まらないのが現代演劇だったりします。


元々のお芝居は、「作家」がいなくてもできるものなんですけどね。


ですが、俳優と演出家だけでなく、スタッフや、それ以外の方が関わる現代演劇の場合。先ずは、「設計書」を書かなければならない。


それが、現代の演劇の必然だったりします。